2010-08-30

contrail

シャッターを押すタイミング以前に、カメラを取り出すタイミングのほうが難しい、と思ってしまう。バッグの中にだいたいデジカメは入っているけれど記念撮影とかするタイプではないみたいだし、素敵なお店で食事なんてしちゃっても写真よりも前にすんなり口に運んでしまって、結局デザートだけ撮る、みたいなことも多いなと今気がついた。
だから結局甘いものが好きな子にうつってしまうのだ。(これはれっきとした言い訳です)

今日、夕暮れ時に歩道橋をのぼっていたら、目の前に飛行機雲がしゅっと流れていて、それが沈みかけていたオレンジ色の太陽に飛び込んでいた。
上のほうはまだ薄青空で、太陽の周りの雲は赤みがあって、なんていうか受精の瞬間みたいな空模様だった。

今すぐに消えてしまいそうな偶然あいまってそうなった光景を、きっとそういう時にカメラを取り出してその瞬間を切り取れたら人にも伝えやすいのだろうに、刻々と変化するその空を、わたしは呆気にとられてじっと見つめることしか出来なかったのです。
目が離せないってこういうことを言うんだろうな。それぐらい神々しいものを放っていた。
見渡す限り、その空に気がついて立ち止まってる人はいなかったけれど。
どこへ行ってもみんな忙しそうだ。




この後雲はピンク色に変化し、日が沈むと藍色の空が広がっていてむあっとした湿気含んだ夜に突入していた。8月最後の日曜日はまた来年までおあずけなんだなと思うと、胸がきゅうっとなった。あたりまえのことだけれど、言葉にするとしみじみする。
やっぱりシャッター押すべきだった、と脳裏に焼きついたそれを思い出すたびにちょっと悔んでいます。だって、ほんとうに何かが宿っているみたいだったのだから。




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