2012-12-05

例えば世間が認識している私という体躯はただの鎧であり私の核なる魂はもっと奥で息を潜めている、私が歩くと微かに音が鳴るでしょう、カタ、コト、カタ、コト、私が私の中で私の振動に揺られている、私はいつも体育座りで第四の私に癒着し、膝に眼球を押し付け瞼の裏に鈍い稲妻を走らせている、幾重にもなった粘膜は年月とともに硬化し強度を増す、いや生身を、色が白いと皆は言う、背骨を数え凹凸を撫でる、確かな体温は這うように脳まで伝わる、けれど其処部は架空の私であり私ではない、上手に育てた皮膜を、その強固な鎧を、仰臥し触れる、生温い精密さが急激に不安を煽り喉を狭める、ああ息が止まる早くここから取り出せと突慳貪に言う、届かない悲鳴はただ彷徨い煙のようになかったことになる、なかったことになる、私は刃先で一番目の鎧を突き刺すけどいくらめり込ませても現れるはずの空洞に辿り着かず困惑、私は私の切れ目を見つけられない、鎧に隠れた私こそが幻であるとふいに現れたその人が酷薄に言う、お前は剥き出しだった奢りすぎている価値なんかないと、そうか何層にも包まれているというついさっきまでの事実こそが誤解、もうやめればとその口は言う、壊死しかけた指先が宙を舞う、マトリョーシカになる夢を見る、取り出して遊んで欲しいしこれ以上の分解を無表情で、懇願とも言える妄想の矢先ごとんという音がした、頭蓋骨が転がった、勿論中身はなかった、それはまた希有なことで。