2016-02-22

SARAN WRAP CITY


「感覚はまるで幽い淵のよう。おどろおどろしい闇が匿されていたり、時には尻込みするほど深い官能を宿らせていたり…とらえどころのない感覚を身体論の名手が自在に読み解く。」
(BOOKデータベースより引用)

ブログを始めたのが2010年、タイトルをどうしようか悩んでいたときにパッと思い出したのがこの本でした。そしてなぜか頭に残っていた“サランラップ・シティ”という言葉。時間つぶしのために立ち寄った渋谷の本屋さんの新刊が平積みされていたコーナーで、このブックデザインの色合いと「幽い」という文字に惹かれて。今でも覚えています。後で買えばいいのにすぐ持ち帰りたかった。鷲田清一さんはファッションについての書籍も多いので何冊か読んでいましたが、この本は心への浸透の仕方が尋常じゃありません。男性が書いていると思えないほどしなやかで、けれどその裏側にしたたかさが感じられない。誰にも真似できないであろう説得力と迫力があり、人間の感覚について書かれているのに、研ぎ澄まされた世界が広がっている。色褪せることのない、とても大切な一冊です。

まず、目次で手が止まります。
「ほころび / 疵 / 聲 / ふるえ / まさぐり / 縁 / まどろみ / ぬくみ / こもり / うつろい」そして「ファッショナブルな器官」と続く。この文字の羅列だけで疼くほどの美しさ。
哲学畑で育っていないので、難しいところもありますが、とにかく魅せられます。こんなにもじっくりと時間をかけて読んだ本は他にはありません。これからも幾度となく読むでしょう。

「物に触れているつもりが、じつは覆われた表面、つまりは透明のラップという被膜にしか触れていない。それを、物に触れているつもりが記号にしか触れていない現代の都市生活のメタファーとした建築家がいる。彼、伊東豊雄は東京を「サランラップ・シティ」と名付けた。これはそのまま、肉としての鈍重な肌理や生ぐさい匂いを感じさせない携帯電話やeメールによる現代の無色透明なコミュニケーションを想い起こさせる。」
(まさぐり より引用)

この本に出会ったことがSARANWRAPCITYGIRL.の始まりだと思っています。
一番最初に投稿した記事は今でもとてもお気に入り。自分らしくて、いつ読んでも根本的に何も変わらないんだなと感じさせてくれます。

自分を良く見せるため、自分に自信をもつために、ファッションに投資し、のめり込む。それはいつだって楽しい行為であることは間違いありません。ファッションとは個々の人間力を引き出し、より自分らしく彩ってくれるもの。

春の訪れを前に、原点回帰。
信念を見つめ直し、しっかりと貫く一年に。






No comments:

Post a Comment