2016-07-20

社会人大学人見知り学部 卒業見込


“自意識過剰である。
年を取れば治ると聞き期待していたのだが、三十二歳になった今も妙なことが恥ずかしく、そのほとんどが同意を得ない。美容室に行って「どのようになさいますか?」と聞かれた時にぼくは必ず「おまかせします」と答えている。事細かに髪型をオーダーするのが恥ずかしい。「こいつ、めちゃかっこつけようとしてるじゃん」と思われたらどうしようと怖くてしょうがない。白状すると、ぼくは本当は妻夫木君みたいな無造作ヘアにしたくてしたくてしょうがない。
だけど言えない。
あと、スタバとかでコーヒーを頼む時に「トール」と言うのがなんか恥ずかしい。「グランデ」なんて絶対言えないから頼んだことがない。S、M、Lなら言える。その前にスタバに行くこと自体が恥ずかしい。ぼくは「スタバ」で「キャラメルフラペチーノ」の「グランデ」を飲んでいるところに知り合いが来たら窓を破って逃げる。”
(若林正恭 / 社会人大学人見知り学部 卒業見込 自意識過剰より)


そのほとんどが同意を得ない。の意味がわからない私です。わかりすぎる、わかりすぎます。
美容室で事細かにオーダーなど出来ません。とにかく鏡越しに話すのが苦手。なぜなら自分の顔がそこにあってライブで動いているから。何を言っていても「で、こんなすっとぼけた顔でどうしたんだ私は」という結論にしかならないから。オーダーどころの話ではない。私は最低限のどうしたいかだけは伝えて(いつも同じ、長さはある程度キープで色は赤味をおさえたアッシュ〜グレー、クセが出るように)あとはプロがいい感じに仕上げてくれます。一から要望を伝えるのとか疲れる。もしこちらの要望通りにしてもらっても、実はプロから見たら変だったりしたらどうしようとか考えてしまう。なので任せたいんです。それからヘアサロンって言えない。美容室って言っちゃう。なんとなく。

スタバは大好きなのでトールは言えます。慣れました。グランデ、ベンティというサイズは頼もうと思ったことがありませんが、言いにくいとは思います。あと他のカフェのサイズ表記はやや怖い。Piccolo、Classico、Grandeとなるとしれっと「あ、一番小さいサイズで」と言います。ピッコロって言えない。なんですかピッコロって。
カスタマイズもハードル高い。ストロベリークリームフラペチーノにチョコレートソースとチョコチップを追加すると、苺とチョコでアポロフラペチーノになるとか、クールライムにホワイトモカシロップ追加でカルピスみたいになるとか、なぜかきっちり知っていますが実行したことはありません。
私は例えば「抹茶フラペチーノ」に「コーヒージェリー」をトッピングして「ノンホイップ」にした「グランデ」サイズを飲んでいるところに知り合いが来たら聞かれていもいないのに無意味な言い訳とおすすめをすると思います。「いっぱい歩いたから疲れちゃって甘いの飲みたくて、でもホイップ抜きだから、抹茶にコーヒージェリー入れるとおいしいって聞いたからやってみたんだけどおいしいよー」とか。聞かれてもないのに、うるさいですね。なので私は今日も黙ってソイラテ。(シナモン大量投入の自分カスタマイズ)




テレビでオードリーを見て特に何か思ったわけではなかったのですが、若林さんがバラエティに出ていると妙に気になる、なんか微妙にひねくれている感じとか一人でグルグル考えていそうな雰囲気とかなかなか心を開かなそうなところとか、なんか近しいものがあったのが今回エッセイを読んで確信しました。似すぎ。
私も仲良くなった人からは必ず「考えすぎ」と言われます。元々そういう性格だったのかは忘れましたけど、大人になってから「もっとちゃんと考えればわかったのに、なんで考えなかったんだ」という数々の失態を繰り返した結果、深掘りに深掘りを重ねて自分がはまって抜けられなくなるという習性が身についてしまいました。
グルグル考えていることを他人に話す機会はあまりないけれど(かっこわるいから)、こういうことを考えていた、と真剣に打ち明けたら「バカじゃないの」「頭おかしいよ」とあっさり呆れられたことがありました。こっちはバカだと思われないようにあらゆる方向から考えていた(はず)なのに。あー難しい。

他人のことを気にしすぎ、誰にどう思われても関係ないよ、と数えきれないほど言われてきました。本当にそうだなと言われるたびに思います。たとえ目の前の人が私のことが嫌いでもバカだと思っていても、たったそれだけで世界は終わらないのだから。わかってはいるんです。でもね。


“自意識過剰だなぁ。とよく言われる。
そう。その通りだ。誰もぼくのことなんか見ていない。それはわかっているのだ。
だがしかし、だ。ぼくなのだ。ぼくが!見ているのだ!”


そういうことなんです。





“ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。”

本物のネガティブをこじらせた人からしか生まれない名言だ!
複眼的な視点で見れば、ウジウジ考えられる暇があれば、どれもこれもきっと大したことじゃない。
誰かに認めてもらうためではなく、何かに没頭していたらいつのまにか死んじゃった、みたいな人生を送りたいものです。




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